orangeProse別館

orangeProse(本ブログ)の補助

2019-01-01から1年間の記事一覧

「プネウマ/ネウマ」短歌研究新人賞2019年応募作品

[PDFをダウンロード] プネウマ/ネウマ 斎藤秀雄 いくつものボールの弾む音だけをこころのようになにもない部屋 肉の血を吹きあげながらおおいなるものへと脱皮する朝の野火 ムスカリのひとつひとつの鈴の音の跳ね返される刑場の壁 真夜中の無音を裂いて硝…

【短歌作品】ユリシーズ・プリズメン

※同人誌『We』第6号(2018年9月刊)に掲載した10首です。これを書いている現在(2019年8月末)時点で第8号が出ています。 ユリシーズ・プリズメン 斎藤秀雄 白妙の袖ふりはふるみとりめのあぐるをのこの清げなるまら ダブリンの朝、腸詰めを買う女その二十日…

【加藤知子句集『櫨の実の混沌より始む』】――定型なんて、知ったふり

(同人誌『We』第6号〔2018年9月発行〕に掲載された評論文です。掲載時タイトル:斎藤秀雄「定型なんて、知ったふり――加藤知子の俳句」) 加藤知子さんの句を読むとき、どうしても「定型とは何か」ということを考えてしまう。精確には「定型は読みの実践にお…