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いとおしい代替品に囲まれてレタスをむしるたまごを壊す(純)

f:id:hidex7777:20160414123354j:plain ※「うたの日」に書いた選評をサルベージしてみます。ブラウザにベタ書きしていたので。初出になかった改行を加えたり、誤字を訂正したりはしています。

いとおしい代替品に囲まれてレタスをむしるたまごを壊す
/純

「たまごを壊す」という意外性のある表現が、とてもしっくり来ていて、よい。「いとおしい代替品」という表現と共鳴(響鳴)していて。代替品でもいとおしいと感じることは、普通にあることだけれど、本当にいとおしかったらそれはかけがえのないもののはずで、わざわざあえて「代替品」とは言わないんじゃないか、という読者(ぼく)の通俗的な心理を、うまく釣ることに成功している、と思いました。

(2017年9月29日『代』)