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ボイスメトリーのやり方(声のトーンで所有者を当てる)

ボイスメトリーとは

サイコメトリー」といえば、物体に残る「残留思念」を読み取る超能力のこと。

元メンタリストのDaiGoが「声のトーン」で、その物体の所有者が誰かを当てるパフォーマンスを、「ボイスメトリー」と呼んでいる。

手順

  1. パフォーマーは、参加者全員に、「これから、どなたかに、なにか私物をひとつだけ出してもらいます。何でもいいのですが、私には誰のものかわからないようなものを出して下さい。私はこれから後ろを向いていますので、その間に、どなたかおひとりだけ、私物をひとつ、出して下さい。携帯電話でも、ボールペンでも、あるいはコインでも、なんでもかまいません。そのあと、私はみなさんに『これはあなたのものですか?』とおひとりずつ、聞いていきますが、みなさん、『いいえ』で答えて下さい。私は、声のトーンで、その所有者が誰か、当てます。では、後ろを向いていますので、私にわからないように、どなたか、私物のものを、ひとつだけ出してくださいね」と言い、後ろを向く。
  2. 参加者は、今の説明がよくわからない可能性があるので、パフォーマーは、ひとつずつ手順を指示していく。「では、どなたでもかまいませんが、私物をひとつだけ、出して下さい」と後ろを向いたまま言う。
  3. 後ろを向いたまま「ものが決まったら、OKと言ってくださいね」と指示。参加者が「OK」と言ったら振り返る。
  4. 出されたものがiPhoneだったら、「このiPhoneですね」と確認。それが確かに、誰のものか分らないものであれば、「いいでしょう」と言う。もし見覚えがあって、誰のものかわかってしまった場合は「スミマセン、これは○○さんのものだと知っているので、別のものにしてください」とやり直しさせる。
  5. あらためてこれからすることを説明する。「では、おひとりおひとりに、『これはあなたのものですか?』と聞いていきますので、みなさん『いいえ』で答えて下さい。私は声のトーンで、誰のものか、当てます」。
  6. 一人ひとりに、「このiPhoneは、あなたのものですか?」と聞いていく。参加者は「いいえ」で答える。
  7. すべての人に聞き終わったら、「わかりました」と言い、その所有者に向かって「これはあなたのものです」と断言する。間があったら、「間違いましたか?」と。

仕組み

ポイントは「声のトーンから所有者を当てます」という点を強調して、「声のトーン」に参加者の意識を集中させること。

ここでパフォーマーが行うのは、声のトーンから所有者を当てることではなく、マッスルリーディング(筋肉の動きから心の状態を読み取る)に近い。

もし「これはあなたのものですか?」と聞かれた参加者が、本当に自分のものでなければ、余裕を持って「いいえ」と答えられる。答えたあとの態度も余裕のあるものである。

さらに、自分のものでないとわかっているので、意識は次の参加者に向く。つまりパフォーマーは聞いたあとの、その参加者の態度に注目する。

仮にその参加者が、パフォーマーを欺こうと、わざと自信なさげに「い、いいえ、ち、ちがいます」などと演技したとしても、その演技自体が余裕を持ってなされる。

もし「これはあなたのものですか?」と聞かれた参加者が、自分のものだったとしたら、【声のトーンから】読み取られないように、細心の注意を払って、「いいえ」と答える。しかしパフォーマーは、そもそも声のトーンからはなにごとも読み取ろうとしていないので(そのために「声のトーン」という前振りで、参加者の意識を声のトーンに注意するように誘導する)、その他の態度全体に注意を向ける。

この「嘘をついた参加者」は、答えた後に、次の参加者に意識を向けることはなく、バレないように注意を払い、緊張する。場合によっては下を向く。目を合わせようとしないか、逆に目を注視してくる。

ポイントとしては、全員の、答えたあとの視線の動きに注意する。嘘をついていなければ視線は横(次の参加者)に移動し、嘘をついていれば動かないか、下に移動する。この視線移動を誘導するために、「これはあなたのものですか」「いいえ」のルーチンを流れるようにスムーズにやる。