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うたの日サルベージ:毒を持つ花の切手のうらがはを疑ひもせずきみは舐めたり(桔梗)

※「うたの日」に書いた選評をサルベージしてみます。ブラウザにベタ書きしていたので。初出になかった改行を加えたり、誤字を訂正したりはしています。 毒を持つ花の切手のうらがはを疑ひもせずきみは舐めたり/桔梗

うたの日サルベージ:うつむいて爪半月をじっと見る組体操のいちばん下で(グンちゃん)

※「うたの日」に書いた選評をサルベージしてみます。ブラウザにベタ書きしていたので。初出になかった改行を加えたり、誤字を訂正したりはしています。 うつむいて爪半月をじっと見る組体操のいちばん下で/グンちゃん

うたの日サルベージ:目の前の無限の宙をまだ見とる溺死したけど喰いつかんでね(花暁)

※「うたの日」に書いた選評をサルベージしてみます。ブラウザにベタ書きしていたので。初出になかった改行を加えたり、誤字を訂正したりはしています。 目の前の無限の宙をまだ見とる溺死したけど喰いつかんでね/花暁

うたの日サルベージ:捨てることに躊躇いはなく手放したものの重さでまた陽が沈む(藤田美香)

※「うたの日」に書いた選評をサルベージしてみます。ブラウザにベタ書きしていたので。初出になかった改行を加えたり、誤字を訂正したりはしています。 捨てることに躊躇いはなく手放したものの重さでまた陽が沈む/藤田美香

うたの日サルベージ:園庭に並んだ処女がてのひらをむすんでひらく 未来が咲いた(静ジャック)

※「うたの日」に書いた選評をサルベージしてみます。ブラウザにベタ書きしていたので。初出になかった改行を加えたり、誤字を訂正したりはしています。 園庭に並んだ処女がてのひらをむすんでひらく 未来が咲いた/静ジャック

うたの日サルベージ:生きていていいのだろうかスニーカー踵つぶして川を見にゆく(ミルトン)

※「うたの日」に書いた選評をサルベージしてみます。ブラウザにベタ書きしていたので。初出になかった改行を加えたり、誤字を訂正したりはしています。 生きていていいのだろうかスニーカー踵つぶして川を見にゆく/ミルトン

うたの日サルベージ:陽が落ちて急に寒いと言いながら半袖の腕に絡まっている(藤田美香)

※「うたの日」に書いた選評をサルベージしてみます。ブラウザにベタ書きしていたので。初出になかった改行を加えたり、誤字を訂正したりはしています。 陽が落ちて急に寒いと言いながら半袖の腕に絡まっている/藤田美香

うたの日サルベージ:牛乳のパックで作った子兎を通学途中に一羽逃がした(多田なの)

※「うたの日」に書いた選評をサルベージしてみます。ブラウザにベタ書きしていたので。初出になかった改行を加えたり、誤字を訂正したりはしています。 牛乳のパックで作った子兎を通学途中に一羽逃がした/多田なの

「プネウマ/ネウマ」短歌研究新人賞2019年応募作品

[PDFをダウンロード] プネウマ/ネウマ 斎藤秀雄 いくつものボールの弾む音だけをこころのようになにもない部屋 肉の血を吹きあげながらおおいなるものへと脱皮する朝の野火 ムスカリのひとつひとつの鈴の音の跳ね返される刑場の壁 真夜中の無音を裂いて硝…

【短歌作品】ユリシーズ・プリズメン

※同人誌『We』第6号(2018年9月刊)に掲載した10首です。これを書いている現在(2019年8月末)時点で第8号が出ています。 ユリシーズ・プリズメン 斎藤秀雄 白妙の袖ふりはふるみとりめのあぐるをのこの清げなるまら ダブリンの朝、腸詰めを買う女その二十日…

【加藤知子句集『櫨の実の混沌より始む』】――定型なんて、知ったふり

(同人誌『We』第6号〔2018年9月発行〕に掲載された評論文です。掲載時タイトル:斎藤秀雄「定型なんて、知ったふり――加藤知子の俳句」) 加藤知子さんの句を読むとき、どうしても「定型とは何か」ということを考えてしまう。精確には「定型は読みの実践にお…

角川『俳句』2017年6月号・カレンダーとか

もう来月号が出てしまうので、角川『俳句』2017年6月号について、書いておく。 まず。拙句、対馬康子選・佳作で一句採られた。 片栗の花静寂にかよふ水 斎藤秀雄 紙面では、宇多喜代子の対談のゲストが中牧弘允で、話題はカレンダー(暦)なのだけど、中牧弘…

ネットプリント毎月歌壇に短歌が掲載されました(2017年6月号)

『ネットプリント毎月歌壇』2017年6月号に短歌が掲載されました。 今年度の選者、竹中優子さんの選です。 呼気吸気合はせて呼吸と謂ふけれどそこがおまへの限界なのさ。 斎藤秀雄 竹中さんの選評に《合はせて、とあるがどちらかというと「呼吸」が「呼気」と…

「民報俳句」に俳句掲載。佐藤祐禎と東海正史(2017.06.18)

「民報俳句」(福島県のローカル紙『福島民報』の「読者文芸」欄)に俳句が掲載されました。選者は永瀬十悟さん(第57回角川俳句賞受賞)。 我の手のをんなのごとし茄子の花 斎藤秀雄 1年ぐらい前に「ローカル紙にも投稿してみようかな」と思って投稿したと…

『NHK短歌』に短歌が掲載されました(2017年6月号)

ちなみに『NHK俳句』は全滅でした。 調子が悪いわけではありません。この記事を書いている今現在は調子が悪いかもしれませんけれども。なんでかわかんないけど、ひとつもとられませんでした。新しい選者になって初回で無得点というのは、幸先が悪いのか、あ…

追記アリ【朗読】江戸川乱歩「白昼夢」を朗読します@FMモットコム

【2017.04.30末尾に追記】 宣伝です。 福島県本宮市のローカルFMラジオ局、エフエムモットコムに朗読で出演します。 本当に、まじで、真剣に、聴いてください。お願いします。お願いしましたからね! FMモットコムで江戸川乱歩「白昼夢」を読みます。4月28日…

NHK俳句とNHK短歌に掲載されました(2017年5月号)

正木ゆう子選・佳作 卒業すなにもかもが毀れたまま 斎藤秀雄 小島健選・佳作 ぶらんこの背中を押したのは我か 斎藤秀雄 栗木京子選・佳作 銀色のバトンが飛んで輪をつくり金色の鍵たくさんこぼす 斎藤秀雄 というわけで、正木ゆう子さんには初めて採っていた…

NHK俳句とNHK短歌に掲載されました(2017年4月号)

初めて『NHK短歌』のテキストに短歌が掲載されました。と思ったら、工藤吉生さんの名前が。 ぼくがこうやって俳句とか短歌とかが何かに掲載されるたびにいちいちブログで報告するというダサかっこ悪いことをしている理由は、工藤さんがやっていたからだ。 ダ…

角川『俳句』掲載&うにがわえりもさんの句(2017年3月号)

今月は、一句、採っていただきました。 朝妻力選・佳作: 東北にゐて東北の枯野かな 斎藤秀雄 角川俳句にせよ、NHK俳句にせよ、直接は会ったことがないけれども「おっ」と思う句を書くひとの名前は覚えているもので、そういう名前をみつけると嬉しくなるし、…

『NHK俳句』に俳句が掲載されました(2017年3月号)

放送は3月で最終講義、4月から新年度がはじまります。 新年度選者は今井聖・高柳克弘(「高」は機種依存文字のハシゴダカ)・夏井いつき・櫂未知子、の4人で、夏井先生だけ継続。 とはいえ、テキストに掲載されることを目指して精進しているわれわれ底辺俳人…

『ネットプリント毎月歌壇』に短歌が掲載されました(2017.2月号)

谷川電話さんの選で、採っていただきました。 西風が火照つた頬へ猥褻にジャブ喰らはせてくる猥褻に 斎藤秀雄 12行の選評に、7回「変態」と出てきます。 くどいぐらい変態と言ってしまったが、ひとつの例外もなく、全部褒めことばだ。 有り難し、有り難し。 …

「朗読一語一絵」を録音するPowerShellスクリプトを書いたよ

tl; dr 【2017.03.29追記】2017年4月より再放送の時間が変更になるため、諸々変更。 https://github.com/hidex7777/motrecbat WindowsのPowerShellの勉強がてら、書いた。 Radikoolでのサイマルラジオ録音が失敗しがちなので、VLCで録音すればいいじゃない、…

【朗読】ラジオ番組「朗読 一語一絵」がはじまります(出演予定)

【追記2017.03.30】2017年4月から再放送の日時が変わります。 新年の抱負じゃないけど、今年は朗読について、はてなブログで一定のドキュメント化をしていきたいと思っているきょうこのごろです。 というのも、日本の「声を発する業界」(歌や演劇や、なんや…

ネットプリント毎月歌壇に短歌が掲載されました(2016年11月号)

先月は谷川電話さんにとっていただいたのだけど、今月号では石井僚一さんにとっていただいた。 淋しいとラジオが沈む海があり胎内が星くずで満開 斎藤秀雄 「ネットプリント毎月歌壇」の今年度の選者は石井僚一さんと谷川電話さん。 配信開始いたします!【…

長田弘の詩集のこと7

引き続き「バラッド第一番」について。この記事で終わるかな? ひとまず、前回の続きの部分を、少し長くなるが引用しておこう。 さてこそ、 三色スミレを肴に そこの屋台で 冷酒をやろう。 あたたかな小便をしよう。 手帳と電話は きらいだ。 疑いを疑い、 …

長田弘の詩集のこと6

「バラッド第一番」の続き。 傷口のある頭で かんがえる。 われ思う、 故にわれあり。 いやさ われなきところで われ思う、 故に われ思わぬところに われあり。 祝うべき いわれはない。 いまここに あることだって、 はげしい 冗談。 (「バラッド第一番」…

長田弘の詩集のこと5

前回は「バラッド第一番」のエピグラフについてしか触れられなかった。のんびりやっていこうと思っていたら、あと1日半ぐらいで、朗読会本番になってしまう。できるだけこの記事で、残りをやっつけてしまおう。まあ、できるところまで、だけれど。 (※これま…

長田弘の詩集のこと4

※この一連の長田弘にかんする記事での引用は、ときに断りのないかぎり、2015年『長田弘全詩集』(みすず書房)を典拠とする。10月2日の朗読会も、本『全詩集』を典拠として行われる。したがって、『言葉殺人事件』の「バラード」シリーズはすべて「バラッド…

長田弘の詩集のこと3

※この一連の長田弘にかんする記事では、とくに断りのないかぎり、2015年『長田弘全詩集』(みすず書房)を典拠とする。10月2日の朗読会も、本『全詩集』を典拠として行われる。したがって、『言葉殺人事件』の「バラード」シリーズはすべて「バラッド」で統…

長田弘の詩集のこと2

この一連の長田弘関連の記事では、原則として、長田弘の詩の引用は、ことわりがない限り、2015年の『長田弘全詩集』(みすず書房)からである(前回の記事でこのことを書くのを忘れていた)。10月2日に行われる朗読会も、この『全詩集』を典拠としている。な…