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はてな朗読会第1回公演会

タイトルは嘘です。はてな朗読会というものがあるわけではなく(たぶん。はてなスペースに「朗読」スペースはあります)、はてなユーザーによる朗読会というわけでもないです。朗読者ではてなユーザーはぼくだけです(たぶん。知らないだけでじつは、とかだったら面白いけど)。

主催はふくしま現代朗読会で、第1回公演会のタイトルは「第一回 言葉で奏でるコンサート 宮沢賢治の世界」です。タイトルからもわかるように、「宮沢賢治縛り」でいきます。「やまなし」「いちょうの実」「セロひきのゴーシュ」「雨ニモマケズ」の4編を読みます。ぼくは「いちょうの実」の予定です。朗読教室の生徒(ぼくを含む)が前半2編、プロの話し手が後半2編を読みます。

フライヤーはこんな感じ:

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  • 日時:2014年9月20日(土)13:30~
  • 場所:ホテルハマツ1階ロビー

ホテルハマツって、福島県郡山市でたぶん一番でかいホテルです。

入場無料なので、当日フラッとお寄りいただければ幸いです。

予習はどうするか

宮沢賢治を前もって読んでおいたほうがいいのか、と聞かれたら、聴き手が読んでいなくとも楽しめるように、朗読者はがんばります、というのがたてまえですが、読んでいたらなおいっそう楽しめる、というのが朗読の世界です。

個人的にはちくま文庫からでている全集をおすすめします。新潮文庫とかは省略や修正が多い。それと、ちくま文庫の全集には「異稿」も(研究上明らかになっているものに関しては)入っているので、「宮沢賢治をちゃんと読む」ためには必須ともいえます。

というのは、宮沢賢治の作品は、生前に発表されたもののほうが少く、しかも彼は、しょっちゅう、それもかなりドラスティックに改稿に改稿を重ねる作家でした。「最終稿」とか「決定稿」というものはないと言ってもよいでしょう。具体的には、かの有名な「銀河鉄道の夜」には「第4次稿」まであるのですが、それは4つの原稿用紙の束があるというのではなくて、さまざまな筆記具で、さまざまな用紙を使って、書き加えたり削除したりを繰り返しているプロセスが大雑把に言って4段階ある、というにすぎず、「第4次稿」とされているものも「削除し忘れ」による矛盾点があって(削除されたはずの人物がいきなりセリフを言ったり)、現在我々が「宮沢賢治の作品」として読んでいる「銀河鉄道の夜」は後年に研究者(発掘者)が手直しをしたものでしかないのです。

「やまなし」

宮沢賢治が生前に出版した単著は、童話集『注文の多い料理店』と詩集『春と修羅』(第1集)のみですが、同人誌や新聞・雑誌への寄稿はいくつかあります。この「やまなし」も『岩手毎日新聞』に寄稿されたものです。今回の公演会で朗読される作品で、生前に発表されたものはこれだけです。

ちくま文庫版全集では第8巻に収録されています。第8巻には他に「注文の多い料理店」なども所収。

教科書で読んだよ、という方も多いかと思いますが、むしろ最近だと『花もて語れ』で久しぶりに読んだという方が多いかと。「クラムボン」のあれです(発音は「クランボン」)。

『花もて語れ』はこの記事執筆時点で12巻まで出ていますが(13巻で完結予定)、宮沢賢治作品が頻出なので、いちおう全巻読破しておくと良いかと思います(Kindle版だと32%オフ、現時点でポイントが30%バックなのでお得です。最新刊の12巻はまだKindle版が出てないですが)。

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今回の公演会では、この「やまなし」しかかぶってないのですが、「朗読」にとって宮沢賢治は、釣りにとってのフナのようなもので、「賢治にはじまり賢治に終わる」と言ったら……過言かもしれませんが、『花もて語れ』で「宮沢賢治はどう読まれうるか」ということをイメージしていただければ、楽しめるかと思います。

「いちょうの実」

全集では第5巻に収録(「いてふの実」)。他に「貝の火」や「よだかの星」といった、斎藤環ラカンを説明するために引用した童話も所収。それから「風野又三郎」も(有名なのは「風の又三郎」の方)。

『花もて語れ』に「おきなぐさ」の朗読が出てきますが(6~7巻)、「おきなぐさ」の原稿表紙裏に「花鳥童話集」として11篇の童話題名が列挙されていて、その中のひとつが「いてふの実」。

「セロひきのゴーシュ」

全集では第7巻に収録。他に「銀河鉄道の夜」「風の又三郎」も所収。前述したように、「銀河鉄道の夜」がいかにドラスティックに書きなおされたのか、その図解が面白いので、解説も必読。

「セロひきのゴーシュ」は、東百道氏が「朗読がうまくなるプロセスをストーリーにしたもの」(大意)と言っているように、朗読者にとってはひとつの重要な道標ともいえる作品。

雨ニモマケズ

全集では第10巻に収録。他に「農民芸術概論」など所収。第10巻は手帳やノートに残されたメモなどを集めた巻で、超マニアック。

雨ニモマケズ」も手帳に鉛筆書きされたメモで、詩として残されたものではない(一般には詩として受容されていますが)。解釈としてもさまざまで、手帳の右ページで終わりとするか(「サウイフモノニ/ワタシハナリタイ」で終わり)、左ページまでを含むとするか(「南無無辺行菩薩/南無上行菩薩/南無多宝如来南無妙法蓮華経/南無釈迦牟尼仏/南無浄行菩薩/南無安立行菩薩」で終わり)によって、出版形態が異なったりします(新潮文庫の賢治詩集は「ページで終わり」派)。

あと、賢治の詩は無題が多く、これも(そもそも詩として書かれていないので当たり前ですが)無題の作品ですが、たいてい第一行を〔雨ニモマケズ〕のような書き方でタイトルの代わりにすることが多いようです。

本題 広告出稿募集

公演会は入場無料ですが、パンフレットが配られます。印刷代とかを広告でまかないます。ぜひ日本の知性のトップを担うはてなユーザーの皆様方におかれましては、広告枠を購入していただきたく!

パンフレットは100~200部ぐらい配布されます。

カラーです。(1)2分の1ページ・縦122mm×横166mm、(2)4分の1ページ・縦61mm×横166mm、(3)8分の1ページ・縦58mm×横81mm、の3サイズ。

価格は(1)20,000円、(2)10,000円、(3)5,000円。

フォトショ・イラレのCS5対応で350dpi、CMYKで。jpgでRGBでもいいそうです。

ご連絡はGMailにお願いします(@の前がhidex7777)